• okisugidaich

カルチャーショック

世界を旅していると、さまざまなカルチャーショックを受けることがあります。


今日は、ちょっと、悲しかったカルチャーショックのお話です。


中学を卒業した時に、おじとおばに連れられて、中国の深圳に行きました。


今でこそ、深圳といえば、アジアのシリコンバレーなんて言われるほど、熱量も経済発展も凄まじいですが、今から20年前の深圳は、当時の僕の心を深く、深く、えぐるほどに、想像を絶する環境でした。


マカオから国境を超えて入った瞬間、


「あ。空気が違う・・・」って思ったんです。


異様なほどに暗い空と、鋭くにらみつけるように僕たちを見てくる人々・・・


ウェルカムなんて言葉は1mmたりともなく、まるで北斗の拳に出てくるような、荒廃した街並みと雰囲気が、ぶわぁっと僕の全てを侵食してきました。


マカオの陽気でワクワクするような空気との対比だったのかもしれませんが、毛穴がキューってなったことを今でも覚えています。


そこで、僕は理解できない、不思議な光景を目にします。


国境からほど近い道端で、見た目は50代くらいでしょうか、黒ずんだ肌に、布を何枚も重ねたような服を着た女性が、缶詰の空き缶を前に置いて、寄付をお願いしてるんです。


日本でも、新宿などを歩けば、同じような光景を見ることはあります。


ですが、栃木からほぼ出たことのない、中学を卒業したばかりの僕にとっては、それだけでも、「ぎょっ」としました。


ですが、カルチャーショックを受けたのは、


その女性のかたわらに、ほぼ裸の赤ん坊がいるんです。


上半身だけ、布に包まれて、泣くでもなく、動くでもなく、ただ、ただ、そこに赤ん坊がいるんです。


あまりにも、違和感を覚えた僕は、「本物かな?人形かな?」とかすかな声でつぶやきました。。。


まぎれもなく、本物の、その赤ん坊は、目だけはくるくると動いて、こちらをじっと見ています。


赤ん坊の前には、画用紙のような茶色い紙に赤い文字で中国語がびっしりと書いてあります。


おじがいうには、この赤ん坊を助けるために、寄付をくださいと書いてあるようです。


僕は、もちろん、何もせず、ただただ、その光景の前を通り過ぎるだけでした。

ポケットに突っ込んだ手が汗で濡れてきて、ぎゅっと、握りしめながら・・・


正直、その後の深圳の観光は一切、覚えていません。


きっと、半日街歩きをして、終わったのと思うのですが、ずーと、あの赤ん坊と女性の光景が頭をぐるぐるしていました。


20年たった今でも、その光景は、まぶたに焼き付いています。


寄付をすればよかったと後悔してるとか、今、そういった人たちを助けたいとか、そんなかっこいいことを、今考えているわけではないです。


今の僕でもきっと、どうしていいか、なんて分からないです。

きっと同じように、やり場のない気持ちをぐっと押さえ込んで、そのうち忘れちゃうんだと思います。


ただ、この光景をみた、当時のカルチャーショックが、落ち込んだ時、辛い時、「よしっ」と自分を奮い立たせる原体験のひとつであることは間違いないです。


SDGsなんて、言葉でいうのは簡単、想うのも、考えるのも、当たりまえ。


自己満足だけど、でも、ちょっとでも、こういった光景が少なくなることをして、笑える人が増えるといいな。





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